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鉄が足りない!(その1)


視覚障害のあるC子さん。


白い杖を使った歩行の訓練を受けるため、訓練施設に通ってきていました。


しかし、訓練担当職員の評判がどうもよくありません。


「やる気が感じられない」


「なんど教えてもおぼえてくれない」


家族からも相談がありました。


「家では黙ってふさぎこんでいることが多いんです」


「すぐカッとなって、大声でわめきちらすんです」


障害を負って間もないので、もう少し時間がたてば精神的にも落ち着いてくるだろう・・・


訓練担当職員は、そう考えて根気強く訓練を続けていました。


訓練施設では、年2回健康診断があります。


施設利用者の健康診断結果に目を通していた私は、C子さんの結果を見て驚きました。


ヘモグロビン値がやっと9mg/dl。


完全に鉄欠乏性貧血の状態でした。


C子さんが無気力だったり忘れっぽかったり、怒りっぽかったのは、まだ障害を受容できていないせいもありましたが、
鉄欠乏性貧血がその症状をさらに悪くしているように思われました。


無気力、忘れっぽい、怒りっぽいというのは、鉄欠乏性貧血でもみられる症状なのです。(つづく)


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