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殺菌効果よりも洗浄効果で!


このごろでは、まるで天気予報のように感染者数をチェックするのが日常的になってしまいました。でも、季節がだんだん春めいて、梅の花もあちこちで香り始め、暖かい日差しが加わると、ちょっと気晴らしに出かけたくなります。


すると、考えることは皆同じようで、出かけた先が結構混み合っていて、つい「こんなに気が緩んでいちゃ、ダメじゃないか!」などと、嘆いては、自分も同じことをしていると気づいて思わず苦笑い。


1年前の最初の頃は、どこまで気をつけたらいいのかわからず、不安と緊張ですごしていましたが、あるとき、専門家の説明を聞いて肩の力が抜けました。


ソレは「ウィルスがひとつでも体の中に入ったら感染する、というわけではありません。ある一定数以上入ってきて、免疫力で対応ができなくなったときに感染にいたるのです」というものです。


それまで「どこからウィルスが来るんだろうか?ここか?あそこか?」などと身構えていたのが、「手洗い、うがいや換気で、うすめて流してしまえばいいわけね」と思えて、気がラクになったわけです。


「ウィルスゼロを目指して殺菌しまくるのではなく、ウィルスはあってもいい、けれど感染するほど濃くならないようにうすめてしまえば心配ない」ということです。


実はこれと同じことが、心理的な不安や恐れにも言えます。


殺菌のように、不安をなくそう、なくそう、とすると、かえって不安は強まったり、増えていくことが多いのです。


ソレは、たとえ「不安を消してスッキリしたい、穏やかな心持になりたい」という願いであっても、結果的には「不安で気になることが、まだどこかに残っていないか?その可能性はないか?」と、不安に向かって集中していってしまうからです。


逆に、不安を日常の家事や仕事、趣味の世界、人とのたわいもない会話などでうすめていくと、最初は頭の中は不安や気になることでモヤモヤして「心、ここにあらず」といった状態ですが、不安とは別のことに取り組むので、次第に意識が不安から離れやすくなっていくのです。


勿論、不安はゼロにはなりません。「不安があっても仕事や家事、育児ができているんだから、まあ、いいか」という感覚に近づいていくわけです。


「不安なことばかり気にしている私はどこかおかしい、そんなことばかり考えていてはダメだ!」と自分を責めたりする必要はまったくありません。


不安や恐れは人が生きていくうえで、役に立つ、不可欠なものです。


ただ、それが濃すぎて、日々の暮らしを妨げたり、狭めたりしていることが問題なのです。


殺菌効果よりも洗浄効果で、ウィルスも不安も、この際一緒にうすめてしまいましょう!!


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