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今の私に無理なくできることを組み合わせて!


寒く厳しい冬から、ようやく日差しも力強くなって、鶯の「ホーホケキョ」がチラホラと聴こえてくるようになりました。


行きつけの鍼灸師からは「こういう暖かくなっていく時期が結構危ないですよ」と忠告を受けていたのですが、油断したせいか、背中や腰のハリがなかなかとれなくなり、急遽、施術をお願いすることになってしまいました。


ここ近年はずっと、朝おきてすぐの腰の状態が不安定で、かがんで顔を洗うときに痛みが時々出たり、出なかったりして、施術を受けてもスッキリせず、「どうすればガッチリと安定した腰になるのか」考えあぐねていたところでもありました。


そんな時の施術で、10歳ほど年上の先生が「朝、起きる前に布団の中で体を動かしてますか?私なんかはよく猫のポーズをしてから起きているんですよ」と言われ、「そんなことはやっていないな」と、その場はボンヤリと聞き流しただけでした。


後になって思い返してみると、「そうか!今の私の腰ではお布団の中で体操してから、おきて顔を洗えば、それで問題は解決じゃないか!」と気づいたのです。


私は「おきてすぐ顔を洗っても大丈夫な腰」を手に入れようと四苦八苦していたのですが、何も昔のように「おきてすぐ顔を洗える」ことにこだわる必要はないのです。


今の私の腰では「布団の中で体操してから起き上がる」と、安定した腰で顔が洗えるわけですから、それがすでにゴールなのです。


どうも昔できていたことをゴールに描きすぎていたようです。


うつや不安障害の回復途上でも、似たようなことがあるのではないでしょうか。


「昔は、難なくこなしていたことが、今はなかなかできなかったり、長続きしなくて、どうしていいかわからなくなりました」といった声がよく聞かれます。


昔できていた姿をゴールに描いて、それをめざすと、どうしても無理が出てきて、回復が足踏み状態になったり、苦しくて疲れ果てたりしてしまいます。


休息を含めて、今の私に無理なくできることを組み合わせて、「とりあえず今の私のゴール」を作っては、そのテープをひとつひとつ切っていく。


それが回復への確かな道ずじになっていくと思うのです。


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