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ただ、こうしてそこにいるだけでいいんだよ


(今回は雑感です。)


5月になって、今年はよく晴れた日が続きます。


ちょっと近くの公園に足をのばしてみると、人もまばらで、遠くから幼稚園児らしい子どもたちが先生に引率されていく声が聞こえてきました。


空は珍しく青く澄んで、白い雲がポカリ、ポカリといくつか浮かんでいます。


日差しはさすがに強いですが、木陰に入ると、涼しい風が心地よく抜けていきます。


向かい側の自動販売機でお茶を買って戻り、ベンチに腰掛けて飲んでいると、どこからともなく、微かな柑橘の甘酸っぱい香りがしてきました。


「どこからだろう?」


と、すぐ前の一本の樹に近づいてみると、小さく、ほの黄色い花があちこちに咲いていて、鼻を近づけると甘酸っぱい香りが広がります。


「これかぁ!」と小さな花と葉っぱを少しばかり取って、ベンチに戻り、ゆっくりと花の香りをかいだ後、葉っぱを細かくちぎって匂いをかいでみると、花とはまた違う、すっとするミントのような香りと若葉の青臭い香りがしました。


近くに座っていたお年寄りが「それはクスノキだよ」と教えてくれました。


遠くには新緑の山々が望め、
耳元では羽虫が行ったり来たりしています。


空は相変わらず青く、浮かんだ雲は、まっ白。


日頃のあれこれと思いわずらうことも、ネットやテレビからあふれてくる情報なども、どこかに忘れてしまったようなひとときです。


何をしてあげるでもなく、何をしてもらうでもなく、「ただ、こうしてそこにいるだけでいいんだよ」と言われているような、穏やかで、ホッとする、不思議な感じがしました。


もしかしたら、毎日を変に難しく考えすぎていたのかもしれませんね。


ちょっとした心の洗濯ができた一日でした。


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