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こころは多数決では割り切れない

2015/05/21
大阪都構想の賛否を問う住民投票が先日行われ、大変な僅差で秘訣されました。このほかにも、政治の世界では多数を背景に様々なことが推し進められています。


それがルールだからということで、いろんな場面で多数決が採用され、大手をふるっていますが、考えてみれば非常に理不尽な決め方のように思えます。


昔の村々では、全員が納得するまで何回でも話し合いをもつというやり方があったそうですが、決めるのに時間はかかるものの、そちらのほうが余程民主的なように感じます。


さて、こころの世界では政治の世界のような多数決では割り切れません。


こちらの思いが強いから、あるいは人に相談してもみんなこちらのほうがいいと言うから、というふうに決めても、どこかで違う思いをかかえていると、なかなか行動に移せなかったり、気持ちがすっきりせずにモヤモヤと重くなったり、時には体に症状が出たりします。


「頭ではわかっているのに、やめられない」というのも、そのひとつの表れでしょう。


そんな割り切れない思いを、多数決で無理やり突破していけば、こころに大きな傷やダメージを与えかねません。


やはり、昔の村々のように、その割り切れない思いに耳を傾け、何度でも話し合うことが必要になってきます。


どんな小さな思いにも、それなりの理由や意味、そして感情がこめられています。


そのひとつひとつに耳を傾けるということは、その言い分を丁寧に受け止め、理解していくことであり、その中で自然と感情も吐き出され、かみしめられていきます。


そして、期限を切ることなく、繰り返し、繰り返し、気の済むまでそうした作業を続けていくと、割り切れない思いは次第に癒され、少しずつあきらめや納得に近づいていくのです。


どんな小さな「割り切れない思い」もあなたのこころの大切な一部分です。


少しの間でも立ち止まり、じっと耳を傾けてあげてください。


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