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「存在」がもつ力

2013/02/17
風邪やインフルエンザなどで寝込んでいるときに、飼っている犬や猫がそばにいてくれてホッとしたという経験は、ペットを飼ったことのある人なら一度や二度はあるのではないでしょうか?


他の家族がみんな出かけてしまい、家で一人ぼっちの時には、特に彼らペットの存在が身にしみます。


当のペットにしてみると何のことはない、いつものようにエサをくれとねだって、もらえず、諦めてそばでただフテ寝をしていただけかもしれないのですが、寝込んでいるほうにしてみると、そこにいてくれるだけで、ペットがこちらを心配して、見守ってくれている気に自然となってしまいます。


おめでたい思い込みと言われそうですが、家族や友人からのお見舞いメールよりも、そこにいるペットの存在のほうが心に与えてくれる慰めや安堵感は大きいのではないでしょうか?


ところが、ペットたちがもし人間の言葉を話せたとしたらどうでしょう?「エサが欲しいよ!」「早くしてよ!」「何だ、くれないのか、ちぇっ!」となれば興ざめです。たとえそばで寝ていても、慰めにも何にもなりません。存在がもつ癒しの力が、言葉でまったく台無しになってしまうわけです。


近頃は、ネットやIT技術の進歩の影響なのか、コミニュケーション能力の向上があちこちで叫ばれています。どう伝えるか、どうわかってもらえるかばかり気にして、自分の存在が周りの人たちに与えている影響の大きさを見失っているような気がしてなりません。


心は、言葉だけでなく、存在そのものも感じとっています。


「そばにいる」、「一緒にいる」、「いつもいる」ということは、それだけで癒しや安心感、心強さを与えてくれるものなのです。


そして、それは心の安定にとって、言葉では肩代わりできないほどの大きな力をもっています。


たまには、ペットになったつもりで言葉を忘れ、鳴き声だけで、お互いの存在を味わってみるのもいいのかもしれません。


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