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からだの変化は時間差でやってくる

2012/09/22
今年は9月になっても暑い日が続き、ようやくここにきて暑さも一段落という感じになってきました。8月の暑い最中ではそれほど多くなかったのですが、9月に入って私の周りでも風邪をひいたり、体調を崩した人が多くなってきたように思います。


夏バテや夏の疲れが出てくるのは、こんなふうに暑い盛りが過ぎて、朝晩も涼しく、しのぎやすくなってきた時期になります。


これと同じように、初めてうつ的な症状が出てくるのも、仕事や勉強、そして家庭などで、大変な時期を何とか乗り切ってホッとした頃がとても多いようです。


大変な真っ最中では、体もその対応に全エネルギーを注ぎ込んで、後のことまで準備する余裕がなくなってしまうのかもしれません。大変な時期を乗り越えた後に気がついてみると何事もない日常を過ごすエネルギーさえも使い切っていたというわけです。


こんなふうに、生き物の体にはいざという時を乗り切るための仕組みが備わっています。よく知られているのが、飢餓に対する備えとしての体脂肪です。


この仕組みのおかげで、緊急事態はうまく乗り切ることができるのですが、うつなどの場合はその後のダメージが時間差でやってくるために、気持ちとのズレが生まれて、苦しくなってしまいます。


つまり、気持ちではそこまで体が消耗しきっているとは感じられなくて、動かしたいのにどうして体がついてこないのだろうと焦ったり、途方にくれたりしてしまうわけです。


うつの回復過程でも、同じように体の変化の時間差に気持ちがとまどって苦しくなってしまうことがよくあります。


十分な休養がとれて、気分も良くなり、ようやく回復したなと思って今までやれずに我慢していたことを次々とこなしていると、突然、体がついてこなくなり、気分さえも落ちてしまうのです。


あれだけ大変な緊急事態を頑張って耐え、よく乗り切ってきたわけですから、体の回復には、ゆっくりとした十分な時間が必要です。


時間差でダメージが来るたびに、じれったく、イライラしてしまいますが、その時間差を生み出している仕組みが私たちを守ってくれていたかと思うと、少しはゆっくりと待ってあげられる気持ちになれるかもしれません。


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