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痛みや辛さをたどってみると

2012/04/27
私はいつも右の腰や肩、首が凝ったり、痛んだりするのですが、そのたびに痛むところをもんだり、のばしたり、ひどいときにはシップや痛み止めを縫ったりしていました。


ある時、たまたま近所に鍼灸治療院を見つけて行ってみたところ、おじいちゃん先生は私の右側の不調を一通り聞いた後、体を触ったり、脈をとったりしてからおもむろに「じゃ、左側を上にして横になってください。左側から治療していきます。」と言ったのです。


「右側が痛いのにどうして左側を治療するんだろう?」と聞いてみると、「右側は後でやります。左側が硬くこわばっているので、まず左側をゆるめてから右側をやるとバランスがとりやすいのです。」という説明でした。


それで左側からやってもらうと、これがまた鍼がよく効いて気持ちよく、こんなに凝って、こわばっていたんだなということがよくわかったのです。


話好きなおじいちゃん先生によると「私の左側の方がいつも硬く緊張していて、そのシワ寄せで右側に痛みが出てくるのだろう。」とのこと。さらにその左側の緊張の源は、どうも左足首の硬さからきているのではないかということでした。


普段、左側は凝りも傷みも感じていないので、まさか左側が体のバランスを崩し、そのシワ寄せが右側にきていたとは思いもよりませんでした。


心の不調にもこれと似たことがよく見られます。


知らないうちに自分を追い詰めてうつや不安を引き起こしている場合、何がそんなに追い詰めているのかをたどっていくと、意外に本人の得意とするところや強い信念とかポリシーに行き当たることがよくあるのです。


それらには痛みや辛さがないので、そこに力が入りすぎていることになかなか気づきにくいようです。


さらに、そうした力が入りすぎていることの根っこには深く心を傷つけられた体験があり、それをカバーするためについ強く力が入ってしまっているということも珍しくありません。


心の痛みや辛さそのものをやわらげていくことも大切ですが、時には自分の中の強く力が入っている部分を振り返って、見つめなおしてみるのも役に立つことがあると思います。


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