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メディア情報は「つまみ食い」くらいで

2012/03/23
最近では、心の病についての本がたくさん出版され、TVやラジオでもそうした番組が少なくありません。さらにネットでは体験記や闘病ブログもたくさん書かれています。


その上、うつ病や不安障害などになると、当然ながら早く回復したいと思うので、そうしたメディア情報ばかりに関心が向いてしまうのも自然なことと言えるでしょう。


しかし、メディア情報は一般的に、多くの人にわかりやすく印象づけたいがために、物事を単純に言い切ったり、典型的で極端な場合を取り上げることがよくあります。


マニュアル化され、確立された治療法の解説にはそれでもいいのかもしれませんが、心の病の場合は症状や経過、薬の効き方などが人によって違い、さらにその人のおかれている状況や性格的な特徴も様々なので、治療の実際は一人ひとりかなり違いがでてきます。


ですから、一冊の本や一つの番組が丸ごと全部あてはまることは、ほとんどありません。無理にあてはめようとすると、かえって回復が遅れる場合もあります。


そうならないために大切なのは、自分にあてはまっているところだけを「つまみ食い」することです。


当然、最初はあてはまっているかどうかもよくわかりませんから、まずは少しだけ試してみて、安心感の高まりや具合の良さ、前よりラクになったかどうかを自分の体で確かめるということです。


メディア情報を信用するあまり、その通りにならないのは自分の努力が足りないからだとか、自分がどこかおかしいからだと思う必要はありません。


また、メディア情報に限らず、「知り合いはこうやって治った」というのも同様に、丸ごとあてはまることはないと言っていいでしょう。


最も信頼できるのは、自分の心と体そのものなのです。


ですから、カウンセラーや医者の大切な役割は、そうしたあなたの心と体に耳を傾け、あなたに合った治療法を一緒に探していくことになるわけです。


メディア情報は「つまみ食い」くらいにして、自分の心と体に耳を傾ける。これもまた遠回りしない回復のポイントと言えるでしょう。


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