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「結果を出す」から「結果はついてくる」へ

2012/02/23
スポーツの世界、とりわけ個人競技では、結果を出そうとするあまり、力が入りすぎたり、自分のペースを乱したりして、かえって自分の持っている力を十分発揮できずに終わることがよくあります。


競技のレベルが低いうちは、余裕があるので強引な力ワザや一時的なハイペースで結果につなげられることもありますが、レベルが高くなると、力の入りすぎや緊張で体をコントロールする精度が落ちたり、無理なハイペースで後半に残しておくエネルギーを先に食いつぶしてしまい、これまでの最高のパフォーマンスが出せなくなってしまうのです。


意識がゴールや記録などの結果に向いてしまうと、自分の体の感覚や状態、相手のボールへの集中が途切れ、スキができてしまうわけです。


うつや不安障害の状態は、実はこのハイレベルなスポーツの状態と似ているところがあります。使えるエネルギーや集中力が限られていて、ギリギリのところでやりくりをしていかなければいけません。


さらに、家事や仕事というのは毎日のように継続を求められる活動なので、スポーツよりも過酷といってもいいでしょう。


ですから、ハイレベルのスポーツ以上に意識を「あれをやらなきゃ」「これを終わらせないと」といった結果に向けるのではなく、今の自分の疲れ具合や集中力、感覚や不安の度合いなどの自分の体の状態にもってきて、自分のペースや活動と休息のバランスをうまく保っていくことがとても大切になるわけです。


結果はそうしたバランスの後から必ずついてくる。


そう考えることが今の自分の持っている心身のエネルギーを最大限に生かし続けるコツなのです。


よく、勝利投手が「ただ、キャッチャーミット目がけて投げていただけです」とか、ホームランバッターが「ただ、ボールに集中して打った結果です」というのと同じです。


自分のできることに意識を向けて、それを焦らず力まず淡々とこなしていくと、いつのまにかその後ろから自然と結果はついてくるということなのです。


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