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心は語りたがっている

2012/01/23
昔、会社勤めをしていた頃に「会議というのはどうしてこんなにつまらないものなんだろう」と、よく思ったものです。今はそうしたことは少なくなっているかもしれませんが、上の人の話をただ拝聴するだけ、発言するにしてもいつも決まった人ばかりで、他の皆は黙りこくって、ただ会議が終わるのを待ち望んでいるという具合です。


仕事だからそういう会議も仕方ないのかなと思っていたら、ボランティア活動のミーティングでも似たような状況が繰り広げられていて、がっかりしたことがありました。


そこで、たまたま自分が進行役になった時に、一人ひとり順番に「どうですか?」と意見を求めてみると、今度はうってかわって話が次々と出てきて予定の時間をオーバーしてしまったことがあります。


さらに、そのミーティングが終わった時の皆さんの表情はいつもより生き生きとしてスッキリし、まだまだ話したいという勢いが感じられました。


自分の考えや思いを言葉に出していくだけで、人は何か荷物をおろした様なスッキリした感じになります。


さらに、自然と自分の考えを先に進めたり、振り返って吟味したり、別の人の考えを「それもそうだな」と受け入れやすくなることも、不思議とよくあるようです。


それは、会議やミーティングだけでなく、ちょっとした立ち話や飲み会、食事会、そしてカウンセリングでも同じだと思います。


自分が語り始めることで、心の窓が少し開いて、風が通り抜け、心のわだかまりが自然と動きを取り戻していくような感じです。


話をしているうちに、いつのまにか問題や状況は変わらないのに、心が重苦しさから解き放たれていくのは、心が持つ不思議な力といってもいいでしょう。


一人で抱えるのが苦しくなってきたら、ぜひこの不思議な力を試してみてください。


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