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「現実からくる不安」と「想像からくる不安」

2011/12/10
紅葉の見ごろも終わり、寒さが本格的になってきました。外出するのにも手袋が似つかわしい季節です。けれども、ついこの間くらいは「寒いかな」と思って手袋をして外に出ると途中で暑くなって脱いでしまったりしたものです。


また、まだこんな時期は手袋をしている人なんていないし、するのは大げさだろうと手袋をしないで出かけて、冷たい思いをして帰ってきたということもありました。


寒くなり始めの頃は、こんなふうに「実際の寒さ」と「想像の寒さ」がズレてしまうことがよくあります。


だいたい、想像というものは心配な方へ、不安な方へと傾きがちです。それは自分の身を守るための本能ともいえるでしょう。


ほんの少しの予感で行動を変えたために難を逃れたという話はよく耳にします。こんな時の「想像からくる不安」は大切な財産です。


しかし、先ほどの例の「周りは手袋をしていないから、手袋をすれば大げさだと思われる」というのも、もう一つの「想像からくる不安」です。


ただ、この場合は相手がどう思っているかどうかは確かめようがありません。もしかしたら「手袋をして暖かそうでいいな」と思っているかもしれません。


そこで、手袋をしないで寒さに耐えて頑張っているというのは、いないかもしれない敵と戦っているようなものになります。こんな時の「想像からくる不安」はともすると取り越し苦労の結果になりかねません。


つまり「想像からくる不安」にはとても巾があるということです。


そこで大切になるのが「現実からくる不安」です。実際に外に出て、私の手は「寒くて暖めて欲しい」と訴えているのかどうかに目を向けるのです。寒さが平気な人や寒さに敏感な人など、こうした感覚にも当然、個人差があるので、決め手は「私がどう感じているのか?」ということです。


もちろん、私の手が寒さを訴えていても、周りの目を気にして多少は我慢するという選択も当然あるでしょう。何しろ「お洒落には苦労がつきもの」ですから。


ただ、「想像からくる不安」には歯止めがないだけに、思い込めば思い込むほど、どんどん大きくなっていきます。


さらに、疲れていたり、緊張して余裕がなくなっていると、ますます想像が膨らんでいく傾向があります。


もし、不安や心配で苦しい感じがしてきたら、自分の感覚に基づいた「現実からくる不安」に目を向けてみましょう。


まったく不安がなくなるわけではありませんが、想像の膨らみすぎを現実が抑えてくれて、きっとバランスがとりやすくなるはずです。


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