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ウイークポイントがからだを守る
2011/09/28
「ヒューズがとんだ」という言葉の意味をわかる人は、おそらく40代後半以上の人ではないでしょうか。
昔のテレビなどには、強い電気が流れて、中の電気回路を壊してしまわないように「ヒューズ」という器具がついていました。
形はいくつかありましたが、強い電気が流れると、ヒューズそのものが溶けて、電気が流れなくなるという単純な仕組みの安全装置です。
スペアのヒューズをいくつか買い置きしておいて、ヒューズが溶けて切れるたびに取り替えたものでした。今となっては昭和の懐かしい思い出です。
その、ヒューズが過電流で溶けて切れることを、どういうわけか「ヒューズがとんだ」と言っていたわけです。
このように通常の電線より、過電流に弱い部分をわざわざ作っておくことで、電気回路を守るという発想は、実は私たちのからだにもよく見受けられます。
肩や腰、ひざが痛いという「痛み」が、まず代表的なものです。さらに、眼が疲れた、腕や足が疲れたといった「疲れ」もそうですし、体がだるい、重い、しんどいというのもヒューズと同じような役割をはたします。
これらはともすると「弱い部分」「悪い部分」としてマイナスに見られがちですが、からだの他の部分よりも弱いために返って他の部分のダメージを未然に防ぎ、からだの健康を維持するために大切な役割をはたしています。
こうしたウィークポイントが敏感であればあるほど、その回復は早まります。
ヒューズのように交換というわけにはいきませんので、その部分をかばって使わないようにしたり、保護したり、休ませたりして自然治癒力が働きやすいようにしていきます。
しかし、こうしたウイークポイントがなかったり、鈍感だったりすると、無理がききすぎて大きな怪我や深刻な病気にいたってしまうことがよくあります。
よく、からだの調子が悪いといっている人ほど長生きするといわれるのもこのためです。
痛みや疲れや調子の悪さといったからだのウィークポイントをからだを守るための貴重なサインと考えて、我慢したり、無視したりせず、むしろ敏感に意識していくことが、健やかで安定した生活への近道といえるでしょう。
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