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「日常」の生活リズムが支える安心感
2011/05/25
震災の影響なのか私の周りでは4月になってもウグイスの「ホーホケキョ」という鳴き声が聴かれず、いったいどうしたわけだろうかと心配していたところ、5月の中ごろになってようやくいつもの「ホーホケキョ」が聴こえてきて胸をなでおろしました。
ただ鳥の鳴き声ひとつのことなのに、毎年あるものがないとなると、それだけでどこか不安になり、「今年は何だか変だな」と落着かなくなってしまいます。
毎年のことですらそうですから、毎日のこととなるとその影響はとても大きなものがあります。
震災などで住む場所が変わったり、毎日顔を合わせる人が変わったりすると、たとえ生活の不便さが解消されたとしても、この「いつもの慣れ親しんだものが変わった」ということ自体が人を不安にさせるのです。
毎日変わらないという「日常」は、日々の生活の中ではマンネリ化してつまらないものとか、何の変哲もないとるにたらないものと思われがちですが、いざ失われてみるとその大切さがよくわかります。
例えば、自分のいつもの部屋で朝起きて朝食をとり、帰って来て夕食をとった後、お風呂に入って寝るという基本的な生活リズムだけをとってみても、旅行や仕事の都合で一時的にリズムが乱れた後に元に戻るとホッとした感じがすることがよくあります。
いろいろなことがあっても最後にはここに戻ってくるという日々の活動の土台が「日常」の生活リズムと言ってもいいでしょう。
この土台がしっかりしていると思い切ったチャレンジも安心してできるというわけなのです。
しかし、不安なことや気になることが増えてくるとこの「日常」の生活リズムが崩れやすくなります。
「なかなか寝つけない」とか「食べる気がしない」、「考えごとをしていて気がついたらこんな時間になっていた」などです。
そうすると生活リズムがぐらつくことで安心感が減り、体調も崩れやすくなって、不安がさらに高まるという悪循環におちいりやすくなってしまいます。
そこで、不安や気になることが増えて不安定になってきた時に、「日常」の生活リズムに目を向け、「いつも通り」を意識するだけで、心を落着かせていくことができるのです。
不安にまかせて、あれこれと普段あまりやり慣れていないことをやってみるより、「いつも通り」の「日常」にまずは戻していくことがよほど効果的なのです。
さらに、「日常」の生活リズムを保つことは気分の波を落着かせるのにも効果があることが知られています。
当たり前すぎて見過ごしてしまいそうな「日常」の生活リズムを一番身近な安心感のひとつとしてこれからはちょっと意識してみてください。
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