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わからないものは、わからないままに
2011/01/29
不安やストレスを大きくするきっかけの一つに「メールや電話の返事がこない」というものがあります。
いつもならすぐ返事が来るのにどうしてだろう?
対人関係に過敏な人は、ここから様々な想像を膨らませることがとてもよくあります。
何か気にさわることを私が言ってしまったのだろうか?
私を暗い人、重い人と思って距離をおきたがっているのだろうか?
怒ってしまって私を嫌いになったのでは?
というふうに、そうあってほしくはない心配なことをまずは想像してしまいます。
さらに、思い込みが強くなると
私と別れたがっているにちがいない!
私の悪口を言いふらしているにちがいない!
私をバカにしているにちがいない!
というふうに、まるで実際にそうなったかのような勘違いにまで発展していきます。
しかし、ここでちょっと立ち止まって考えてみてください。
現実の上では「まだ返事がきていない」ということだけなのです。
つまり、相手がどう感じ、考えているかは今の時点では「わからない」のです。
確かに心配なことが起こっている可能性もないわけではありません。しかし「相手の都合が何かあって、返事が遅れている」とか「うっかり忘れている」とか「元々こまめに返事をしてくる人ではない」とかの可能性もないわけではないのです。
それなのに、あってほしくない心配なことだけを考えて思い悩み、不安や緊張を強め、心を疲れさせるのは、偏りすぎではないでしょうか?
場合によっては、そのことを考え続けることで脳が極度に消耗して気力が低下したり、そのことで夜の眠りが妨げられて疲れが蓄積して、うつなどの病状を悪化させてしまうことにもなりかねません。
しかしながら、この悪影響は現実ではなく、自分の想像力が作り出したものなのです。
言い換えれば、自分で自分の首をしめてしまっているわけです。
これをやめるためには、まず現実に目を向けることが大切です。
今の時点では「わからない」ということが現実です。返事が来るまで待つか、しばらくたってからまた連絡してみるかということです。
もし、また連絡する場合は、なるべく不安だったことに触れないほうが、相手との食い違いが少なくてすむようです。
「わからないものは、わからないままに」なのです。
これと同じようなことは、相手のちょっとした表情や態度を読み取る場合にもよく起こります。
それが何を伝えているのかはっきりしなければしないほど想像力を働かせてしまうからです。
対人関係をスムーズにしていくためには、こちらの情緒的な安定が大切になってきます。
「わからないもの」を自分の不安で決めつけることなく、「わからないまま」に受け止めていくことは、自分の情緒的な安定に役立ち、ひいては対人関係の安定にも役立つことでしょう。
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