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「怒り」のコントロールA不安や怖れの思い込みに気づく
2010/07/29
「怒り」をエスカレートさせるもう一つの大きな要因に「思い込み」があります。現実には怒るほどの状況ではないのに、想像の中で追い詰められて、まるで「窮鼠猫をかむ」のように怒りを爆発させてしまう場合です。
よくあるのは、過去の失敗や怒られたり、馬鹿にされた体験が、その時に重なって感じられ、過敏に反応してしまうというものです。
冗談でからかわれたのに本気で怒ってしまう場合や、上司が部下の小さな失敗を大きくとりあげて激しく怒る場合がこれにあたります。
また、大切にしていた理想やこだわりがくずれ、思ったとおりに物事が進まない時の「怒り」というのもよく見受けられます。
完璧にきれいにしていた家の中を、他の家族にちょっとでも汚されたり、散らかされると烈火のごとく怒ってしまう場合や、それほど支障がないのに、少しでも予定していた時間に遅れが出て、計画通りにいかずイライラしてしまう場合などです。
また、相手の気持ちを勝手に想像して怒ってしまうというのも少なくありません。
まだ慣れていない部下が、ゆっくりと作業しているのを見て、「わざとゆっくりとやってサボっている」と怒ったり、たまたま急いでいた友人が挨拶をせずに通り過ぎたのを見て、「無視された」と怒るような場合です。
こうした「思い込み」は誰でも多少はあるものですが、あまりに激しいと人間関係に悪影響を及ぼし、悩みの種になります。
「思い込み」は、なかなか一人では気づきにくいので、カウンセリングなどで人と話し合いながら自分を振り返ることで気づくことがよくあります。
また、現実や事実に目を向けて自分とは別の見方や考え方をいろいろと想像してみることも、「思い込み」の激しさを弱めるのに役立ちます。
さらに「思い込み」を逆手にとって、「大丈夫」とか「きっとうまくいく」と思い込めれば、心に余裕ができて人間関係を円滑にすることもできます。
つまり、「思い込み」自体がいけないことではなく、不安や怖れで現実以上に自分を追い詰めてしまうところに問題があるわけです。
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