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休養のコツE 辛い症状をバロメーターに
2009/07/30
うつ病の症状は多彩です。
何もする気になれず、体を動かそうにも動かない、食欲がなく、物事への興味がわかない、記憶力、集中力、判断力、思考力の低下、午前中は調子が悪く、夕方から夜にかけてましになっていく。
こうした基本的な症状のほかに
胃や胸などに不快感や苦しさを感じるような身体症状。
頭が真っ白になり、過呼吸や手がしびれたり、振るえたりするパニック症状。
その他、神経が過敏になって、不安やこだわりが強くなったり、感情が高ぶり、涙が急に溢れてきたり、など数え上げればきりがありません。
こうした症状は辛く、不快なものが多いので、症状が強くなると「いつまでこんな状態が続くのか?」「とにかく早くこの苦しみから解放されたい」「でも、どうすればいいのか、もうわからなくなってしまった」と、途方にくれ、追い詰められて、さらに自分を責めたり、自暴自棄になったりしてしまいます。
そうすると、ますます精神的な消耗が進み、症状がさらに強くなるといった悪循環に陥るのです。
この悪循環を断ち切るために役に立つのが、目を彼方ではなく、足元に向けることです。
症状が強くなったということは、心身の余裕がなくなり、疲れや消耗が進んだということです。そこで必要なのは、まず心身を休めて、十分な休養をとることです。
具体的には、予定していた用事はすべて取りやめ、横になり、できれば精神的な消耗を防ぐために薬を使ってでも眠ることです。
症状の悪化した原因や今後の対策を考えるのは後回しです。それをやり始めるとさらに心身のエネルギーが低下して症状が悪化するからです。
このように、症状が強くなった時に必要な対応は、いたってシンプルです。
「辛い症状が強まれば休む」
つまり、症状の悪化は休養をとるサイン。心身の消耗を知らせてくれるバロメーターなのです。
このことを意識して日常生活を過ごしていると、心身の消耗をさらにいち早く伝えてくれるバロメーターにも気づくことがあります。人によっては逆に「調子がよくなる前兆」に気づく場合もあります。
こうして多くのバロメーターを持つことで、今まで予測できなかった調子の波がだんだんと予測できるようになると、先行きの不安をかきたてられることもなくなり、回復の方向性がしっかりと見えてくるのです。
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