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睡眠のちからB 夢の不思議

2009/07/06
質のいい十分な睡眠が生命活動にとって不可欠であることをこれまで述べてきましたが、最後に睡眠が人の人生にとっても大きな役割を果たすことが時にはあるという話をしましょう。


その主役は「夢」です。


夢の大半は、現実生活の期待や不安、怒り、焦りなどをイメージとして伝えてくるもので、「あのことでこんな夢を見たんだな」と薄々は納得できます。しかし、その伝え方は空を飛んだり、天変地異に巻き込まれたりと奇想天外で何でもありの世界なので、ドラマや映画のように理解しようとするとわけがわからなくなります。


夢を理解するポイントは、見ている自分が夢の場面から受けた「感じ」や「印象」をたどることです。その「感じ」をしばらく味わっていると、いろいろなことが自然に思い浮かんできます。それらが夢の伝えたいメッセージであることが多いのです。


また、一つの場面がいろいろな意味を同時に持つこともよくあります。覚えている夢について受けた「感じ」を繰り返し味わっていると、「そういえば、こんなふうにも読み取れるかもしれない」と別の意味に気づくことがあります。そんな時は「どれが本当の意味なのだろう?」と悩む必要はありません。どちらも夢の伝えたいメッセージなのです。


さて、いろいろな夢の中でも時には「何のことだかよくわからない不思議な夢」を見ることがあります。薄々感じることにも思い当たらず、とにかく「奇妙な夢」という印象の夢です。


そうした夢ほど、意識の深いところから発していると言われます。普段の日常生活ではほとんど感じていない心の動きがそこに反映されているのです。


心理カウンセリングでもこうした「奇妙な夢」の話が出ることがあります。そんな時には特に大切にその夢を二人で話し合って味わいます。すると不思議なことに、少しずつその夢に意味を感じてくることがよくあるのです。


また、そうやってカウンセリングで話し合った後には、似たような「奇妙な夢」を再び見ることがよくあります。そんなふうにしていくつかの夢を続きものとして話し合い、見ていくと、さらに夢の意味がはっきりしていきます。


こうした夢が伝えてくるメッセージは、その人が長い人生の中で置き去りにしてきたものをくっきりと浮かび上がらせてくれることが少なくありません。そしてそのことが今現在の心の苦しみとどこかで繋がっていることにハタと気づいた時、決定的な変化がその人に訪れるのです。


たかが夢じゃないかと思わないで、時には丁寧に味わってみると、夢はあなたの人生を実り多いものにしてくれるはずです。


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