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辛い時には、うなだれてみる
2009/06/12
うつ病の症状が落ち着き、再びぶり返すことがないように、予防のためにカウンセリングを受けている人がいました。営業職の男性で、40過ぎのベテランです。
ある時、彼が風邪をひいていたのでこんな話をしたことがあります。
「風邪の時には気力が出ないし、笑顔をつくろうだけでも大変ですよね。だから、そんな時にはうなだれて、具合悪そうにしていると案外ラクになれますよ。」
それを聴いた彼は感慨深く言いました。
「うなだれるかぁ。いや〜、そんなふうにやったことってなかったですね。辛い時にはいつも、辛く見えないように元気なふりをしていました。」
うつ病の人には、こういう人がとても多いのです。辛い時ほど無理をして元気に振る舞ってしまう。ただでさえ辛くてエネルギーがなくなっているのに、これではダブルダメージです。
さらに、元気に振る舞っていると、いつものように仕事もまかされますからトリプルダメージと言ってもいいでしょう。
さて、もしそこでうなだれてみるとどうなるでしょう?元気に見えるように無理をする必要はありませんし、周りも具合が悪そうだから仕事の依頼を控えてくれます。早退したいと申し出ても、すぐに納得してくれるでしょう。エネルギーを節約して、その分を体の回復にあてることができるのです。
だから、うなだれたり弱音を吐いたりすることは、自分の体を守る上でとても大切なものです。しかし、頭では理解できても、うつ病の人が実際にこれをやるのはとても大変なことです。できない、あるいはやりたくない理由が人それぞれにあるからです。
心理カウンセリングでは、そうした理由を少しずつ解きほぐしながら、心身のバランスを取り戻すお手伝いをしています。
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