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B自分のテーマを実行して確かめ、身につけていく


「頭ではわかっているのに、なかなか実行できなくて」という言葉は、カウンセリングを受けている人たちから、とてもよく聞かれる言葉です。


考えてみれば、簡単に実行できず、自分を変えられないからこそ、苦しみや症状となるわけで、この「なかなか実行できず、変われないこと」を自分はダメだと気に病む必要はありません。


人が変わるということはそれだけ本当に難しいことなのです。


さて、自分のテーマに気づくと今まで通りにやっていても、どこか今までとは違う違和感を感じることがよくあります。無理や辛さ、疲れが強まるのです。こうした感じ方の変化をカウンセリングで丁寧に話し合う中で、自分への理解がさらに深まり、テーマが次第に実感をもって感じられるようになっていきます。


そのうち、少し試してみようという気になれば、日々の生活の中で、ほんの少しだけ今までとは違うやり方でやってみます。このときに大切なのは「どれだけうまくやれたか?」ではありません。「どんなやりずらさがあるか?」です。


時には「やってみようと思ったのに、まったくできなかった」という結果に終わることもあります。でも、難しいのは当然ですから、心配したり自信をなくす必要はありません。むしろ、やろうと思ったということ自体、大きな変化なのです。


そして「何がやりずらくさせているのか?」を、周りの状況や自分の気持ち、物事のとらえ方など、いろいろな角度から振り返り、やりずらさの中身をさらに少しずつはっきりさせていきます。


このような話し合いを何度もカウンセラーと重ねていくうちに、最初は手ごわいと思えたやりずらさの中に、「この部分なら何とかできるかもしれない」と思えるところが見えてきます。


こうした、小さくて一番やりやすそうなところを探して、まずは少しでも試しにやってみるのです。


少しでもできれば、できたことで周りの状況や自分の気持ちなどに起こった変化をカウンセラーと確かめていきます。少しやってみたので、起こる変化もほんの少しです。だから、確かめるのはその変化の量や程度ではなく、それが自分にとって良い変化かどうかです。


良い変化なら、さらにやってみたくなり、やりずらさがより小さくなっていきます。もしも、悪い変化なら少しだけしかやっていないので、ダメージは最小限に抑えられます。


こうした繰り返しで、自分のテーマを実行し、確かめ、身につけていくのです。


何だか回りくどくて時間がかかりそうですよね。カウンセリングに時間と根気が必要なのはこういう理由からなのです。まるで、目指す頂上に向かって、コツコツと階段を作って登っていくようなものです。しかし、こうした地道なやり方だからこそ、どんなに険しい頂上に見えても、確実に一歩づつ近づき、後戻りすることなく、最後には頂上に至ることができるのです。


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